旅_高知_DAY3_20190428_日

 この孤独な(結果的に孤独だと思うようになってしまった)旅の道中、唯一自分の救い、あるいは心の支えとなっていたのは、とある女性とのLINEでの会話だった。その女性には大学の頃からずうっと助けられてきた、今でも本当に感謝している人なのだ。

 高知での第3日は、旅館は藤崎旅館から始まる。
 10畳ほどもある二間の和室で、久しぶりにぐっすりと眠りから覚めると、もう09時過ぎなのであった。とりあえずここでは朝食が出ないため、歯と顔だけ洗って、朝ドラを流しながら出発の準備をする。
 出発の精算時におかみさんと、少し立ち話をする。宿泊簿に住所を記載すると、「東京から来なさったんですねぇ」ととても喜んだリアクションをしてくれた。宿泊費は1泊素泊まりで\4,000-とお安い。

 駅前に1軒だけあるローソンに向かい、朝ご飯のおにぎりとお茶を購入。近くに神社(琴平神社)があったので、長い階段を上り、境内で食べることに。旅人の気の休まる場所、あるいは一人で居たとしても不振に思われない場所なんてのは、もう神社ぐらいしかないのである。
 長い階段を上る途中、外国人の旅人とすれ違った。髭はかなり伸び、大きなリュックを背負っている。ああいう旅もあるんだなぁと思いつつ境内に入る。朝ということもあり、誰も居ない。近くの木のベンチでゆっくりと朝食をとることができた。

 本日はどうしよう。相変わらずのノープランだ。
 出発前に唯一調べていたスポット「にこ淵」があった。ここが良いと聞いていたのだ。
 レンタルサイクルなんかで行けたりするのかな?と調べてみると、何と、この伊野の町にレンタサイクルがあるそう。これは行けということか。さっそくレンタサイクルのあるいの町観光協会へ向かう。

 日曜日だが、いの町観光協会は開いていた。さっそくにこ淵へレンタサイクルで行けないか尋ねると、まあいけないことはないとのこと。自転車(クロスバイク)を借り、出発。この、いの町観光協会は何とも気前の良い場所だった。着替えやらノートやらの手荷物を役場の中で保管しておいてくれるとのことで、荷物を減らすことができたのだった。

 ここまで移動はずっと歩きだったため、自転車、それもクロスバイクでの移動はなんとも気持ちの良いものだった。しかし、距離的には片道36kmという想像も絶する長旅。時間をつぶすにはちょうど良いなどと考えて出発してみたは良いが・・・。
 道中はなかなかスリリングなものとなった。何しろ山道の道路を自転車で走るのだ。車は普通に走っている。レンタカーを借りてみて思い知ったのだが、車道の自転車ほど、車にとってわずらわしいものはない。まあそれでも目的地へは1本道をただひたすらに走るしかない。

 道中、完全に人工物の世界から離れ、自然の風景を堪能することができた。自転車も良いものだ。車だとこんな風景を見ることはできねーぜ。などと考える。が、そんな考えは疲れるまでの話であって、足が重く、途中で引き返すことすら考え出すと、明らかに車で来る距離だよなぁ。と思い始めるのである。それでも、時間はあるし、途中まで来てしまっているものだから、ひたすらに自転車をこぐ。そして相当に疲れているところに試練のように上り坂があらわれる。まあ山道だから当たり前なのだが。

 半死半生でたどり着いたにこ淵は、GWということもあってか、かなりの人が居た。こんなんじゃせっかく山奥に来たってのに意味が無いよなぁ・・と思いつつ。ここまでの道のりを考えると、ここまで来ていつもみたいに人が多いから帰ろうってのもできず、舗装されていない道に進む。
 にこ淵へは、かなり粗い道を進む、いきなり目の前のはしゃいだ男性グループの一人が山の道に落ちる。どうやら大丈夫らしい。まあ、大丈夫じゃなくてもどうしようもないのだが。

 にこ淵は確かにきれいなんだが、どうにもこう、人が多くてはゆっくり味わうこともできん。せっかく来たのだが写真だけとって、そのまま帰ることに。一言でいうととほほだな。

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 帰りの道中は行きよりもスムーズに進むことができた。何しろ下りが多かったためだ。それにしても後半からはだいぶしんどく、なぜか山道を歩いている住民らしき人(逆走している)や、狭い自転車道を逆走してくる高校生なんかに遭遇しつつも、気力で観光協会まで戻ることができた。疲れたもんだ。

 いの町観光協会では、出発の時と同じく、ゆるい感じで迎えてくれ特に感慨もなく、自転車を返した。
 時刻は15:37。はてさて、もう疲れたから今日は早めに宿に向かうかなと。本日の宿は、JR高知駅の近くのホテルベストプライス高知だ。ここが最後の宿舎。ゆっくり休もう。伊野から高知までは、路面電車で移動する。なにせ時間は有り余っている。ゆっくり行こう。
 路面電車というと、なにやら風情があるように思えるが、いざ乗ってみると、中は市バスとあまり変わりがない。道路の方も、特段線路が独立して走っているわけでもないため、本当に市バスと変わりがないのである。

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 高知まではるばる戻ってくると、ホテルベストプライス高知まで向かう。ホテルの中にコインランドリーがあるので、ここで最後の洗濯をする。部屋はまあどこにでもあるビジネスホテルと同じ感じだが、いかんせんこれまでの宿と比べると狭い。圧迫感がある。しかしまあ1日だけなので問題ないが。
 コンビニで、夜食を購入し(外に出る気力も無かった)、大浴場があるとのことなので、風呂に入ることに。開場直後だったためか2人しかいない。ゆっくりと入り今日の疲れを癒す。いやー長かった。風呂から上がるともうやることが無いので、部屋にあるテレビをずっとみる。そのまま3日目は就寝。

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