[2014/03/25] NoTitle

「サァサァ、ここに座って一杯やんな。」
「あぁ、どうもありがとう。ブドウ酒かい?」
「アァそうだよ。だんな 落ちついたかい? それで、どうしたん
だい、こんな夜中に血相変えて」
「フウ。いやね。今考えてる小説の展開が思いつかなくて
イライラしてたら 窓の外に犬が見えてね」
「犬? ノラ犬ですかい? それで飛び出してきたんですかい?」
「いやぁ、その犬がね 何かくわえていたんだよ。
それでさぁ よく見るとそれが人の手の様に見えたんだ。」
「うぇ、それ本当の話ですかい? 警察に連絡しましょうかい?」
「いや ギョッとしてよく見てみると木の棒と軍手だったよ」
「なんだ じゃあそれは関係ないんですかい?」
「ああ、ウチの小さいのが最近いたずら好きでね。僕を
驚かそうとするんだよ」
「小さいのって誰ですか?」
「ほら、あの、あれだよ」
「何、何、何ですか?」
「別に。」
「ん?」  ―3/25

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