「アメーバムーンライト」

今からずーっと前の事。
どれくらい前かと言うと、地球がまだ蒸し暑かった頃。
丁度、二千と十五年が経った頃だった。
男は昔の友達を思い出していた。
部屋に籠ってちゃ、もったいない。モッタイない。もったいさんが居ない。
早い話が、視野ガァ狭くなる。そして、貴重な時間を
ウェイストしてしまう。
五月の早朝にさ。意気投合したヒトと、ファミレス
でコーヒーをすする未来だって、あるんだぜ。
もったいない、ってのは、部屋に籠っていると、そのお
可能性様様。我々が求めている。素晴らシイ未来
のイメージ。そいつをスルーしてしまってるってことなんだぜ。
不良にボコボコにされる未来もあるんだぜ。
彼女とキスする未来も、アメーバみたいに溶けて
無くなる可能性も、月にタッチする可能性も。
雨の日にデートデートデートする未来も。
暑い日に、熱中症になる可能性も。
ヤツとまた付き合う可能性も。海の近くで暮らす
未来も。星の下で寝る可能性も。アリアリアリ
アリーナヴェルチなんだぜ。
俺たちは選べるんだぜ。理想の未来を。―5/18(月)

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