ラジオ局にこんな話が入ってくるなんて、予想もしてなかった。今朝上司からその「ビッグ」な
話を聞かされたのだ。
「今ってさあ ぶっちゃけ、東京とか大阪とか、主要都市に人が
集まり過ぎてるだろ?」「ハァ…。」「そいでさ、そうすると、例えば災害があった時なんかに困る
らしいのよ。」「そうっすね」「で、地方活性化?みたいなことを企画してくれないかって国がさ」
「けど、何でウチにそういう話が来るんですか?」「そりゃ、ラジオ聴いてるやつの年齢層が広いからだろ」
ってな訳で、入社一年目の僕がこの企画を考えることになった。といってもアレだ
別に僕一人だけじゃなく全国のFM局にこの依頼が来てるらしい その中で、一番
良い企画をやろうって訳だ。つまり、ある種のコンペだな。
「地方でライヴ大会を開催する」「地方特色の食材で料理大会をやる」・・・etc. この一週間で
僕が出した案は全部ボツだ。上司曰く、「お前らは皆同じ頭してんのか 他の局も同じ様なもんバッカなんだよ!」
ちょっとした「相打ち」状態なのだ。しかし、これ以上は何かを変える必要があると判断した僕は
今までと違う作戦に出た。
「・・・。」「どうですか?」「こりゃ おもしろいけどなぁ、予算が
でるかねぇ。」作戦とは結局、同じ様に悩んでる地方の新人達に声をかけて、皆で考える
というものであったのだ。そして捻り出された企画が題して「無人島創生プロジェクト」である
「いや、スゲーことになって来てるよ。日本も捨てたもんじゃないな」と上司が漏らした。
過疎地域には本当に誰も居ない状態の場所がある まずそこに人を「集める」のではなく
「住みたい人」を募集するのだ。「この場所はあなた達の好きな様に変えてもらって構いません。しかし
農業、工業、林業など、この地域のみで自立した状態にしてもらうことが条件です 組織のつくり方
などがわからなければ こちらから専門家を派遣することも可能です」
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