逃げ遅れるな。
そうつぶやいた彼は、
必死に足を
動かしたが、一歩も前に進まなかった。
彼はそれが夢の中だと言うことが。
少しずつわかっていた。
それでも、その焦燥感は消えなかった。
彼は一言だけ
逃げ遅れるな
と言って目を覚ました。
夢の感覚は少し体に残っていた。
彼はのっそりと立ち上がり、
少し暑いカーテンを開けた。
宇宙からそれを写していた。
青い地球を。
彼の夢はいつも見るそれだった。
彼はうがいをし
服を着替えて外へ出た。
よく晴れた青い空の日だった。
空は広く高くどこまでも続いていた。ー8/7(金)