彼は背中を誰か指圧してくれねぇかなぁ
と考えていた。
もしくはL字型のつぼ押し健康グッズを
買おうと思っていた。
次第に眠気が近付いてきた。
月を見ていた、広い空の中に
時計を見ていたゆっくりと動く秒針を
紙を見つめていたペン先が描く軌跡を
男は早く寝ようと思っていた。
しかし、ページはまだ半分も残っていた
彼女がもしできたら、喫茶店で話したいなぁと
彼は思っていた。
その部屋はやや蒸し暑かったが
彼はクーラーを入れずに
そのまま眠ることにした
部屋の植物達はもう眠っていた
その部屋で唯一まだ起きてるその男は
ラジカセの電源だけ、残して、
スタンドライトの電源を切った。―6/28(日)