手帳手記_20180715_金

 東武練馬は洋食屋、親味にて木のカウンターにて書いている17:30の今だ。
 ひとり暮らしの暗い心に、ここの生活感はものすごく温かく感じるものだ。
 
 注文したメンチカツ定食を待っていると、電話が鳴る。
 「・・・、はい、はい、はい」
 電話をとった店のおばさんは、常連さんらしき人から注文を取っている。この店は、ご年配のご主人と、奥さんの2人だけの店。注文が多い場合や、時間がかかりそうな場合は、こうやって電話で注文ができるのだ。
 「はい、かつ丼が2つと、ヒレカツ定食が1と、盛り合わせが2つ。はい。」
 そして、おばさんは、僕が10分前に注文したメンチカツ定食を作っているご主人に声をかける。
 「今からなら15分かな。」
 「うーん。・・・」
 「ねぇ、15分くらいかな。・・・はい、もしもし大丈夫です。」
 なんともなしに会話を聞いていた僕は、おや大丈夫かなと思った。注文数が多く、ましてや自分のメンチカツ定食を作っているのに、はたして15分後に料理が完成しているのだろうかと心配になったのだ。

 そして、17:50くらいに僕のメンチカツ定食は出てきた。当たり前だが、そのままご主人とおばさんはせっせと先ほどの注文を作っている。
 電話があったのが17:45分くらい。そろそろ18:00になるかという頃、やはりまだ注文した料理はできていなかった。
 僕は仕事でもたびたびあるが、やっぱり余裕もって解答すべきなんだよなぁ。と少し残念に思いながらメンチカツ定食を食べていた。

 18:15ごろ、おばちゃんが「ぴったりだったねぇ」と言った。
 なんのことだろうかと思ったが、電話でご主人に尋ねたのは、「(18時)15分くらいかな。」というかかる時間ではなく、出来あがりの時間だったのだ。

 ご主人とおばさんの気心の知れた仲を垣間見た気がした瞬間だった。

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