水の滴ったトンネルを一人で歩いていた。
薄気味の悪い日だった。誰も見当たらなかった。
少し進むと、道が左手に折れていて、そこから先は、
本当に光が入らないらしく、真っ暗闇の道だった。
僕は自然と体に鳥肌が立つのを感じた。
真昼だというのにこの静けさは何だろう。そして、
僕は、肝試しに入ったこの旧JRの線路を
真昼間。しかし、どうしてもこの先へ進む気にはなれなかった。
本当の暗闇の中へ入るには、僕にはまだ無くしたくないものがたくさん
あった。
次の瞬間、僕は元の道を全力で駆け戻っていた。
春先の羽虫や、そこらから垂れている蓑虫なんか気にもなら
なかった。ただ夢中で、陽の光の当たる場所、
呼吸をしている人の居る所へ走り続けた。
ってのが昨年の実話でございます。(一部フィクション)
闇があるから、光のありがたさがわかる。
寒いからこそ、温かいもののありがたさがわかる。
彼女の態度から彼女の優しさがわかる。
さ、もう寝ましょう。―4/16(木)